インデックス価格は、概算インデックス価格 .ECOIN (BTC、ETH、XRP、EOS) から算出されています。 以下の説明は、BTCを例として使用します。
.EBTCとは、現在、Bitstamp、Coinbase Pro、Kraken、Gemini、Bittrexの5か所の取引所のBTCスポット取引価格の加重平均値をいい、各取引所の平均月間取引量の加重平均を用います。加重平均(Trade_Wt)は、前月の各プラットフォームの月次取引量を用います。
しかし、これらの取引所のいずれかのスポット価格が他の5か所のスポット価格から大きく外れた場合、このEBTCの価格が妥当ではなくなる可能性があります。そのため、 Bybitでは各取引所と.EBTCの価格差を考慮に入れてインデックス価格を算出することにしました。EBTCとの価格差が一番大きい取引所は、インデックス価格算出の際の比重が最も低くなります。
(以下の計算式ではわかりやすくするため、3つの取引所の比重等を示しています)
$$ \text{取引所Aの比重} = {{ \text{取引所Aの月間取引高}} \over {{\text{取引所Aの月間取引高}} + { \text{取引所Bの月間取引高} }+ { \text{取引所Cの月間取引高}}}} $$
$$\text{.EBTC} = {\text{取引所Aの比重 } \times \text{取引所Aのスポット価格} + \text{取引所Bの比重} \times \text{取引所Bのスポット価格} + \text{取引所Cの比重} \times \text{取引所Cのスポット価格}}$$
$$\text{価格差} = {\text{|取引所のスポット価格} - .EBTC|}$$
取引所の価格差を二乗して、それを逆数にすることで、取引所の比重を調整します。
$$ \text{取引所Aの比重} = {{1 \over \text{取引所Aの価格差}^2} \over {{1 \over \text{取引所Aの価格差}^2} + {1 \over \text{取引所Bの価格差}^2 }+ {1 \over \text{取引所Cの価格差}^2}}} $$
インデックス価格は、各取引所のスポット価格にそれぞれの取引所の比重を掛けた合計から導出されます。
$$\text{インデックス価格} = ({\text{取引所Aのスポット価格} \times\text{取引所Aの比重}}) + ({\text{取引所Bのスポット価格} \times\text{取引所Bの比重}}) + ({\text{取引所Cのスポット価格} \times\text{取引所Cの比重}})$$
Bybitでは、以下の状況が発生した場合、該当する取引所をインデックス計算から一時的に除外します。
1. 取引所から取得した最新のスポット価格が1分以上経過しても変動が見られないとき。この取引所は流動性に問題がある、またはサービスを中断しているとみなし、この取引所を計算から除外します。
2. 取引所から取得したスポット価格が、.ECOINから3%以上逸脱しているとき、その異常価格を除外してインデックス価格を算出します。
例:
1. 全ての取引所のBTC価格が比較的近似している時:
以上より、 インデックス価格は、以下のようになります。:
インデックス価格=調整後の取引所Aの比重×$10,048.00+調整後の取引所Bの比重×$10,046.00+調整後の取引所Cの比重×$10,056.00≈$10,048.29
2. 一つの取引所のBTC価格が他の取引所と大きく外れているが、概算インデックス価格 .EBTCとの差が3%未満である場合:
よって、 インデックス価格は、以下のようになります。
インデックス価格=調整後の取引所Aの比重×$10,060.00+調整後の取引所Bの比重×$10,040.00+調整後の取引所Cの比重×$10,500.00≈$10,100.59
例2に示すように、いずれの取引所のスポット価格が他の取引所のスポット価格から大きく逸脱した場合、.EBTCと比較して、調整後の比重で算出されたインデックス価格のほうが妥当な未実現損益を知る指標となります。