第1章 一般規定
第1条 目的
Bybitトークン管理規約(以下「規約」)は、ブロックチェーン産業の健全な成長促進と健全なデジタル資産環境の整備、並びにトレーダーの権利と利益の保護、及びトークンの管理規制のため策定されたものです。
第2条 定義
本規約における以下の用語は、明示的に定められている場合を除き、それぞれ所定の意味を有するものとします。
(1) 「Bybit」は、Bybitの運営する暗号資産プラットフォームを指します。
(2) 「プロジェクトチーム」とは、トークン・プロジェクトの発行、開発もしくは運営に携わる事業体、すなわちBybitに上場しているトークン・プロジェクトの法人、開発チーム、自然人もしくは受益者、または特定のプロジェクトチームが存在しない自律分散型トークンの場合は組織の代表者を指すものとします。
(3) 「トークン」または「プロジェクト」は、Bybit上で取引される暗号化デジタル証明書を指すものとします。
(4) 「ST(Special Treatment)警告」とは、「特に注意すべき警告」を意味します。STタグの付いた取引ペアは、利用者にとって重大なリスクがあるとみなされます。
第2章 情報開示
第3条 情報開示義務
プロジェクトチームは、トークンまたはプロジェクトチームに重大な影響を与える可能性のあるすべての情報を適時かつ誠実に開示し、開示されたすべての情報が正確かつ完全であり、欺瞞的または誤解を招くものではないこと、及び重要な事実または考慮事項が省略されていないことを保証するものとします。
第4条 情報開示の形態
プロジェクトチームは、本規約の発行日以降、定期的および緊急の情報公開を公式ウェブサイト上で行うものとします。
開示される情報には、コード更新の進捗状況、市場活動、機関投資、コミュニティ開発、その他の重要な側面に関する情報が含まれますが、これらに限定されないものとします。
第5条 緊急の情報開示
緊急の情報開示とは、通常開示に加えて特別な事態が発生した場合に、プロジェクトチームが行う情報開示を指します。このような事案(インシデント)はすべて開示され、その発生から24時間以内にBybitへ書面にて通知を行うものとします。
ここで規定される特別なインシデントとは、コアチームメンバーの交代や連絡不能、重大な技術的インシデント、製品や技術開発の方向性の変更、コアチームに関わる重大な法的リスク、重大なネガティブニュースや世論、その他トークン価格に大きな影響を与え、またはそのような変動を引き起こすことが合理的に予想されるインシデント(ロックされたトークンの解除および買い戻しを含む)などを含みますが、これだけに限定されるものではありません。
緊急の情報開示の内容は、発生事由、経緯、基本事実およびその結果等を含みますが、これらに限定されません。
第6条 情報公開の例外事項
プロジェクトチームが開示する情報が国家機密を含む場合、またはその開示が公共の利益に反する可能性がある場合、Bybitの同意を得て、当該情報の開示は差し控えられるものとします。
第3章 照会と審査
第7条 照会対応
Bybitは、プロジェクトチームに対して随時、プロジェクトに関する照会を実施する権利を有します。プロジェクトチームは当該照会に積極的に協力し、24時間以内に回答する必要があります。
第8条 照会の形態
Bybitは、プロジェクトチームに対して、以下の方法で照会を行います。
(1) プロジェクトチームから提供された公式メールアドレス
(2) プロジェクトチームから提供された電話番号
(3) プロジェクトチームから提供されたインスタントメッセージのアカウント(Telegramなど)
第9条 照会内容
照会内容には、ホワイトペーパーや公式ウェブサイトにおけるコミットメントの履行状況、コアチームメンバーの雇用およびトークン保有状況、製品および技術開発の進捗状況、その他トークン価格の変動(ロックされたトークンの解除および買い戻しを含む)に大きな影響を与えうる、または与えることが合理的に予想される要因を含みますが、これに限定されません。
第10条 照会結果
Bybitは、プロジェクトチームの照会に対する協力の有無、その度合い、回答の内容等に基づき、独自の判断でルール違反の有無を判断することができます。Bybitは、第4章に定める手続きに従い、違反行為に対処する適切な措置をとることができます。
当該措置は第8条に定める手段により、または公表により、プロジェクトチームもしくは利用者に通知することができるものとします。
第11条 定期審査
Bybitは、以下の状況において、プロジェクトおよびプロジェクトチームに対して定期または緊急審査を実施する権利を有するものとします。
(1) ホワイトペーパーに関する重大なコミットメント内容。
(2) コードのセキュリティ審査。
(3) プロジェクトチームまたは他の主要なトークン保有者が保有するポジションの変更や、トークンをロックするコミットメントの履行などにより、トークン価格に影響を与える可能性がある、またはトークン価格の変動を引き起こすことが合理的に予測可能な、その他の要因。
(4) コアチームメンバーの変更。
(5) その他、Bybitの裁量により審査が必要と判断されたもの。
第12条 特別審査
Bybitは、以下の場合に特別審査を開始することができます。
(1) プロジェクトチームが第11条に定める事案に関与していると利用者から報告され、または報道機関により明らかにされた場合において、プロジェクトチームが当該報告または明示されたことに対する対応を行っていない、または当該対応が当該事情への関与を否定するのに十分でないとき。
(2) 定期審査において重大なリスクが確認された場合。
(3) その他、Bybitがその裁量により特別な審査を開始する必要があると判断した場合。
第13条 現地調査
Bybitは、実際のニーズに応じて、定期的または緊急にプロジェクトチームを訪問、監督、現地調査の実施を行うことができます。
プロジェクトチームは、Bybitの現地調査に積極的に協力するものとします。調査内容には、ホワイトペーパーや公式ウェブサイトでのコミットメントの履行状況、コアチームメンバーの雇用およびトークン保有状況、製品および技術開発の進捗状況、トークン価格の変動に影響を与える可能性がある、または影響を与えると合理的に予想されるその他の要因(ロックされたトークンの解除および買い戻しを含む)が含まれますが、これらに限定されるものではありません。
プロジェクトチームがBybitの調査を拒否したり、意図的に妨害したり、その他の方法で協力に応じなかった場合、Bybitは独自の裁量で当該規約に従い、プロジェクトチームに対して関連措置を講じることが可能です。
第14条 プロジェクトチームの協力義務
プロジェクトチームは、定期および特別調査のためにBybitと積極的に協力する義務を負います。また、利用者から報告された関連問題、報道機関からの問い合わせ、関連規制当局からのリスク通知に対して、積極的に対応し是正するものとします。
Bybitは、プロジェクトチームが本規約の協力義務を果たさない場合、本規約に基づき、プロジェクトチームに対して適切な措置を講じることができるものとします。
当該措置は、第8条に定める手段により、または公表により通知されます。
第4章 違反への対処
第15条 ST警告の実施
Bybitは、ルール違反の重大性に応じてトークンにST警告を実施し、関連する取引ペアに「ST」タグを設置し、当該トークンの取引リスクを利用者に警告する権利を有するものとします。
第15条1項 ST警告のトリガーとなる事象
ST警告は、プロジェクトチームまたはトークンから以下のいずれかの事象が特定、存在、または発生した場合に発動されます(以下「トリガーイベント」)。
(1) プロジェクトチームが、プロジェクトチームの公式ウェブサイト、ホワイトペーパー、第5条に定める緊急開示インシデントなどを含めるがそれに限定されない、プロジェクトに関する情報を更新または開示しなかった場合。
(2) トークンの各取引ペアの1日の平均取引高が、30日間連続して30,000 USDTまたは他の同等トークンを下回った場合。
(3) プロジェクトの流動性に乏しい場合、すなわちスプレッドが3日間連続で2%を超え、価格帯の注文がいずれかのサイドで30件未満であり、上位10%の買値/売値市場の深さが10,000 USDT、もしくは他の同等トークンより価値が低い、またはプロジェクトの価格が操作されている(価格が市場価格から10%以上逸脱)ことが認められた場合。
(4) Bybitがその裁量で、照会、定期審査、特別審査、現地調査などの手段による包括的評価に際して、STタグを付ける必要があるとみなした場合。
(5) その他Bybitの裁量により重大な違反と評価されうる状況が生じた場合。
第15条2項 ST警告の解除
Bybitは、当該プロジェクトチームが適切な是正を行い、プロジェクトチームまたはトークンがトリガーイベントのいずれにも該当しなくなったと審査された場合、ST警告を解除する権利を有するものとします。
第15条3項 用語
本章における以下の用語は、それぞれ所定の意味を有するものとします。
(1) スプレッドが 2%を超える:スプレッドは 10 秒ごとに収集され、1 日に合計 8,640 回計算されており、スプレッドが 2%未満のものが 70%未満であれば、その日のトークンはスプレッドが2%を超えているものとみなされます。
(2)価格帯の注文がいずれかのサイドで30件未満:1日合計8,640回、10秒ごとに注文板の価格帯は収集・計算されており、30件以上の価格帯の注文が90%未満である場合、その日の市場のいずれかのサイドで、トークンの価格帯の注文が30件未満であるとみなされます。
この状態が3日間連続した場合、ST手順が発動されます。
(3) 上位10% の買値/売値市場の深さが10,000 USDT未満、またはそれに相当するトークン未満の場合:注文板の上位10%の買値/売値市場の深さは10秒ごとに、1日に合計8,640回収集・計算されており、上位10% の買値/売値注文の90%未満で10,000 USDT以上の価値がある場合、トークンはUSDT10,000未満、または他の同等トークン未満の価値しかない上位10%の買値/売値市場の深さを有するとみなされます。
(4) 価格操作:外部取引所からBybitの中間価格とインデックス価格を取得した際、(Bybit中間価格 - インデックス価格) / インデックス価格 >= 10% の場合、トークンの価格は操作されているとみなされます。
第16条 取引の秘匿、停止、トークンの上場廃止
Bybitは以下の状況の重大性に応じ、取引ペアの秘匿もしくは取引の停止を行う権利を有するものとします。
(1) ST警告の実施日から30日以内に、当該警告が解除されない場合。
(2) トークンの各取引ペアの1日の平均取引高が、30日間連続して30,000 USDT未満、または他の同等のトークン未満である場合。
(3) プロジェクトチームの中心メンバーに、調達したトークンの不正流用、プロジェクト開発チームの所在不明、プロジェクト技術のサポート停止、プロジェクトの重要事実の故意の隠蔽、重大な詐欺、虚偽もしくは誤解を招く情報の開示、もしくは作成などを含むがそれに限られない、重大な詐欺または詐欺的行為が発覚した場合。
(4) コミュニティの同意なく、プロジェクトの開発チームの解散や中心メンバーの辞任を行い、その結果開発が継続できなくなった場合。
(5) プロジェクトの流動性が極めて低い場合、すなわち、スプレッドが3日間連続で5%を超える場合、価格帯別の注文がいずれかのサイドで10件個未満である場合、上位10%の売値/買値の市場の深さが5,000 USDTまたは他の同等トークンに満たない価値がある場合、またはプロジェクトの価格が操作されている(価格が市場価格から20%以上逸脱)ことが確認された場合。
(6) プロジェクトチームが、いわゆる「風説の流布」スキームもしくは活動を含むがこれに限定されない、不規約または疑わしい取引活動を行う疑いがある場合。
(7) ねずみ講や明らかに虚偽のマーケティングを含む、著しくネガティブな世論、不適切なマーケティングやコミュニケーションに関与している場合。
(8) プロジェクトまたはプロジェクトチームが、違法な活動またはBybitが好ましくないと判断する活動に関与している場合。
(9) プロジェクトまたはプロジェクトチームが適用される法律または規制を遵守することができない場合。
(10) (民事、刑事、行政、公式もしくは非公式、または直接的もしくは間接的かどうかに関わらず)脅迫、係争もしくは進行中の法的手続き、または請求がプロジェクトチームに対して存在する場合。
(11) プロジェクトチームが、ホワイトペーパーまたは他の形式で行われたコミットメントを履行することなく、トークンをアンロックした場合。
(12) プロジェクトの進行が、ホワイトペーパーの開発計画より著しく遅延した場合。
(13) メインネットへの切り替え時にセキュリティ上の問題が発生し、30日以内に適切な対処がなされなかった場合。
(14) スマートコントラクトのコードにオーバーフローや追加発行等のセキュリティ上の脆弱性が存在し、30日以内に適切な対応がなされなかった場合。
(15) プロジェクトにハッキング、コインの窃盗、追加発行の隠蔽、二重消費攻撃などのリスクや危険性が存在する場合。
(16) プロジェクトチームが、メインネットまたは契約のセキュリティ問題によってBybitおよび利用者に多大な損失を与え、プロジェクトチームがその損失をBybitに弁済せず、および/または利用者が被った損失を補填していない場合。
(17) トークンが個人トークンである、またはオフライン署名をサポートしない、あるいはノードのソースコードがオープンソースでない場合。
(18) トークンまたはプロジェクトチームが重大な規制リスクをもたらした場合。これには、当該トークンが任意の法域において「証券」を構成し、その法域の利用者がトークンを保有および/または取引することをBybit側で防止できない、または防止する意思がないような場合が含まれるが、これに限定されない。
(19) Bybitが独自の判断で、秘匿、停止、または上場廃止が適切であるとみなすような、その他の状況。
トークンの取引ペアが秘匿されると、Bybitは該当トークンの預託を停止しますが、利用者はトークンの継続的なポジション保持が可能です。秘匿されたトークンは検索結果には表示されますが、その取引ペアは取引ページやトップパフォーマーリストには表示されません。
取引ペアの秘匿決定を取り消すことができません。プロジェクトチームが当該トークンの取引再開を希望する場合、Bybitのトークン上場要件、および手続きに従ってトークン上場を再申請する必要があります。Bybitは、トークン上場要件が満たされているかどうかを独自の裁量で判断するものとします。
第17条 強制決済
トークンの取引ペアが秘匿された場合、Bybitは独自の裁量で当該トークンの強制決済の開始が適切かどうかを個別に判断することができます。プラットフォーム上の資産の強制決済は、Bybitにより実行されます。トークンの取引が停止された場合、強制決済手続きは当該取引停止日から開始されるものとします。
第18条 取引の終了
強制決済手続きが完了し次第、当該トークンの取引は終了し、トークンは上場廃止となります。
取引の終了は、第8条に定める手段を通じて、またはBybit上での発表を通じて、プロジェクトチームまたは利用者に通知されます。
第19条 賠償責任
プロジェクトチームは、本規約の違反に起因または関連してBybit、利用者もしくはその他の第三者に生じた全ての損害について、責任を負うものとします。
第5章 補足条項
第20条
本規約と、Bybitが過去に発表した他の規約や告知との間に齟齬がある場合、本規約が優先されるものとします。
第21条
本規約の英語版と日本語版の間に齟齬がある場合は、対応する規約の英語版が優先されるものとします。
第22条
Bybitは、本規約を修正する権利、および最終的な解釈の権利を有します。
第23条
本規約は、公表日から施行されるものとします。
Bybit
2022年2月24日